今回は、以前紹介した「Panasonic Let's note CF-SZ6のWindows 10 BitLocker暗号化済みSSD(M.2 SATA)を換装してみる」で紹介したSSD換装作業を、Dynabook R83/Mで実施してみましたので、報告します。
結果的にDynabook R83/Mでも成功しました。
BitLockerで暗号化されたNVMe SSDでも、データの移行ができました。
背景と目的
セキュリティの都合上、SSDがBitLockerにて暗号化されているPCがある。しかし、SSD容量が小さく、使い勝手が悪い。
→BitLocker済みWin10PCを、現状の設定を維持しながら、PCのSSD容量を増加させる。
⇒その方法はSSDクローン
前回との違い
ここが重要です。
換装対象のPCは Dynabook R83/M ですが、なんとこのPC、インタフェースがNVMeなんです。
換装対象のPCは Dynabook R83/M ですが、なんとこのPC、インタフェースがNVMeなんです。
そこで今回は、前回と同じような方法で試してみます。
前回のお話はこちらからどうぞ。
これから説明する方法は自己責任でお願いいたします。
前回のお話はこちらからどうぞ。
これから説明する方法は自己責任でお願いいたします。
原理・方法
前回(M.2 SATAのSSD)はHDD/SSDのクローン(完全コピー)を行うことで成功しています。
どうやら、Windows10のBitLockerは、ハードウェア固有の製造番号・型番などは使用していないようで、データ配列が同じであれば、正しく起動するようです。
準備物
USB-NVMe 変換器
私は、玄人志向のものにしました。熱くなるので、冷却性能がいいものがいいと思います(後述)
SSD 2TB
SSDはIntel製の2TBのものを選択しました。人によって推しメーカーが異なったり、細かなスペックが気になると思いますので、適宜ご確認ください。今回の選定理由は予算と納期の都合ですが、もしかしたら2TBの壁などにぶち当たるかもしれないということも考慮したほうがいいかもしれません。
※GPTでUEFIなので、問題はないはずですが。
熱伝導シート
今回は、玄人志向の変換器に付属するものを使用しました。本当は使用するつもりはなかったのですが、SSDを実装したときにチップ面が剥き出しになっていることや熱が気になることから、取り付けました。
別途購入が必要なるのであれば、熱伝導率がいいもので、あまり厚くないなものを推奨します。
注意
NVMeタイプのSSDは、かなり発熱します。そのためヒートシンクを熱伝導シートを介してチップ表面に実装します。
今回の場合、ヒートシンクがない状態では、クローン時にエラーで止まってしまっていました。強制空冷するか、仮にヒートシンクなどをつけて対策してください。
クローン手順
- クローンソフトにて、ブート用USBメモリ(ブータブルディスク)を準備する。
- 外付けSSD変換器を準備する
- USBメモリ・SSD接続とブートオーダー(起動順序)の変更
- クローン作業
- SSD換装 (分解 → SSD準備(SSDに熱伝導シート貼り付け) → 換装 → 組み立て)t
の流れです。
ブート用USBメモリの準備
今回は、前回準備したものを使いました。前回はSATA SSDで、今回はNVMeでしたが、普通に使用できました。(ドライバなどがなくて起動しないと思ってた・・・)
私は適当に転がっていた4GBのものを使用しましたが、USBメモリは何でもいいと思います。
USBメモリ・SSD接続とブートオーダー(起動順序)の変更
USBメモリとUSB-NVMe変換器+新SSDを、PCのUSBポートに挿し、BIOS画面を開きます。
今回、私は写真のように接続しました。
今回、私は写真のように接続しました。
NVMeのディスクを起動用ディスクにしているマシンでは、初回起動時は必ずWindows10が立ち上がってしまいましたが、ログイン画面から再起動をして、F2 (Dynabook R83/M の場合 )を連打し続けることで、BIOS画面に入ることができました。
この画面から起動順序を変更し、USBメモリからの起動にします。
Advanced → Change Boot Order と選択していくとブートするデバイスが現れるので、
USB Memoryを選択してMove Upをクリックします。
Advanced → Change Boot Order と選択していくとブートするデバイスが現れるので、
USB Memoryを選択してMove Upをクリックします。
設定ができたら、設定を保存します。
その後再起動がかかるので、ブートできることを確認します。
その後再起動がかかるので、ブートできることを確認します。
できたら、そのまま進めます。
クローン作業
前回と同じです。
Panasonic Let's note CF-SZ6のWindows 10 BitLocker暗号化済みSSD(M.2 SATA)を換装してみる
早いもので、もう3月も半分が過ぎました。。。 そんな折に、某氏からLet's noteのSSD容量を増やしたいとの依頼が来てしまいました。 256GB→1TBにする作業はなんとか成功させましたが、そのPCがちょっと特殊だったので、備忘録的に手順を書いておきます。
エラーについて
前回同様、下記のようなエラーが発生することがあります。
エラー発生・・・ |
エラーの原因は過熱によるものらしく、SSDにヒートシンクを取り付けるなどの対策をしたのち、もう一度同じ手順を繰り返します。
付属の熱伝導シートとヒートシンクを付けて凌ぐ |
SSD換装作業
ここが一番難しいところです。やることとしては、
分解 → SSD準備(SSDに熱伝導シート貼り付け) → 換装 → 組み立て
となります。
今回はSSDのチップ面がノートPCの筐体側を向いていて、なおかつ通気口が近いことからSSD熱伝導シートを貼り付けて、なおかつ熱伝導シートと筐体を接触させることで、ほこり・ゴミ混入によるショートを避け、また放熱効率を高めるようにしました。
※放熱効率を高める理由は、NVMeのSSDは温度が上がってくると自動的に速度を落として温度を下げようとするため。
帯電防止服や制電手袋の着用を推奨します。
以下、手順と写真です。
背面ネジをすべて外し、底板を外します。
底板は隙間に何かを入れて分離 |
底板。たしか某社のマグネシウム合金だったような・・・。 |
マザーボード側のコネクタ、無線LANカードを外します。DCジャック部分も外します。
マザーボード側、コネクタを外す。 |
無線LANカードも外す。 |
DCジャック部分も外す。 |
マザーボードを浮かせます。ちょうど無線LANカード裏付近に、SSDがあります。
マザーボードを浮かせると現れるSSD |
SSDはネジで留まっているので、ドライバが入る程度までマザーボードを浮かせて、ネジを外します。
その後、新しいSSDに交換してネジで留めます。
SSDを比較してみました。
今回は、新しいSSD(左)に熱伝導シートを貼りました。
その後は逆手順でPCを組み立てます。
換装後の作業
換装後のBIOS設定
換装後、電源ボタンを押しF2を連打して、BIOSに入ります。
換装前に行った手順で、SSDが認識されていることを確認し、起動順序をもとの状態に変更します。
そのため、Windowsが入っているパーティション(C:ドライブ)を、クローン作業時に作った空き領域をつかって拡張します。
下記に従って、容量を拡張します。
毎度思いますが、正常に動作しているノートPCを分解する行為はつらい感じがします。
ただ、依頼者が喜んでいる姿を見るのは良いものだ。
起動後のディスク容量拡張
クローンを実施しているため、パーティション構成がそのままコピーされています。そのため、Windowsが入っているパーティション(C:ドライブ)を、クローン作業時に作った空き領域をつかって拡張します。
下記に従って、容量を拡張します。
Windows10 - ボリューム(パーティション)を拡張する方法 - PC設定のカルマ
Windows10 のボリューム(パーティション)を拡張する方法を紹介します。 新しくハードディスクを購入・接続した......あるいは未割り当ての領域を利用して、パーティションを拡張(サイズを大きく)する方法をみていきます。 それでは実際にボリュームを拡張してみましょう。 左メニューの「ディスクの管理」をクリックします。 右クリックすると ...
感想
毎度思いますが、正常に動作しているノートPCを分解する行為はつらい感じがします。
ただ、依頼者が喜んでいる姿を見るのは良いものだ。